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2006/12/28

「幻のイマイ・ゼロX号プラモ」続報

「電撃ホビーマガジン」2007年2月号『男の復刻倶楽部』によれば前回お伝えしたゼロX号の金型は予想以上に保存状態が良かったのでリペア自体は比較的容易にできる見込みだそうです。
しかしながらやはり40年も前の金型を現在の射出成型器でショットすることは困難のようです。
仕事の関係で僕自身も射出成型の現場に何度も立ち会ってますが、現在の成型器と金型というのはセンサのかたまりで温度や圧力等の条件をコンピュータで綿密に制御してショットしているわけです。
40年前はそう言ったものは勿論ないので金型自体の構造も違っているし射出条件も職人さんの経験と勘でこなしていました。充填するプラスティック材料の流動性等の特性も当然今とは異なっていますので一朝一夕で現在の技術で当時の金型を使いこなすことは出来ないと言うことです。
それでも夏過ぎにはバンダイの工場でテストショットが上がっていたそうなので時間をかけて条件を追い込めばなんとか解決できる問題なのかもしれません。

それより更に難しい問題は探検車に組み込まれるゼンマイボックスや本体のモータ駆動のギアボックスの調達です。これらの部品を作っているメーカは現在既になくなってしまっているからです。
当時はスケールモデルでさえも玩具的要素を盛り込んでゼンマイやモータで走るギミックを持っていました。
あのタミヤからでさえ左右の履帯部に独立した2個のモータで駆動をかけ電池ボックスを兼ねた有線リモコンで前進、後退、左右転回をする戦車のキットが出ていたぐらいです。
それが宇宙戦艦ヤマトからキャラクターキットでもプロポーション優先のディスプレイモデルが主流となって行った結果ゼンマイ等の動力部品は廃れて行ってしまったというわけです。
余談ながらバンダイがガンダムのキットを無動力の(関節の可動はするものの)ディスプレイキットとして出すことはかなりの冒険だったそうで、ヤマトのキットの成功を引き継ごうとして最初のラインナップにはムサイ等の戦艦が組み込まれたそうです。

そのほかにも走行用のゴムタイヤやデカール等の再現もどうするかと言う問題にも直面します。
動力は廃してデカールも粘着剤付のシールでディスプレイモデルとしての復刻と言う選択肢もありますが、いくら当時では出来の良いキットと言っても現在の目ではかなり辛い物であることは間違いありません。
プロポーションでいえば先に出た新世紀合金がありますのでそれで十分でしょう。
ここはたとえコストアップになっても40年前と同じ仕様で復刻することに大きな意味があると僕は考えます。
復刻の企画自体は前向きに動きだしている様なので仕様をどの方向で進めるのかがこれからの課題ですね。
この辺は続報を待つことにします。

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