オレとギャリアと初音ミク
ガイアノーツから模型用塗料ガイアカラーミリタリーシリーズの新色が発売されました。
そこで「153 ストーングリーン」の説明に注目です。
「あのメカやあのキャラクターの髪の色にぴったりです」
ガイアノーツが明言していないので推測になりますが、あのメカというのは恐らく先日R3シリーズとして発売されたウォーカーギャリア(戦闘メカ・ザブングル)のことでしょう。そしてあのキャラというのは「初音ミク」で間違いないですよねぇ?
ということで「ストーングリーン」を入手してきましたので検証してみました。
まずはサーフェーサで下地処理したプラ板にエアブラシでストーングリーンを吹いてカラーチップを作成しました。
これとミクの髪の色とギャリアの色を比較することにします。
R3ギャリアはバンダイの開発チームによるとパーツの成型色はセル画の絵の具を十分研究してオリジナルカラーを再現したとのことです。つまりキットの色がギャリアのグリーンの正解とここでは解釈します。
ミクに関しては公式のイラストのCGがありますが、これをディスプレイに表示した色というのは環境によってまちまちになってしまうのと自発光の物ですので物理的に存在している塗料の反射拡散光として肉眼に見える色を比較するのは無意味です。CGのデータをプリントアウトしてもプリンタや紙の特性に左右されて何が正しいのかの基準が分かりません。
ということで公式に色校正された印刷物を使うのが最良と判断して初音ミクのパッケージを対象とします。
これらを自然光の元で(丁度曇り空で光がイイ具合にまんべんなく当ってくれました)同時にデジカメで撮影したのが上の写真です。ミクのパッケージとR3ギャリアのランナーに加えて参考としてねんどろいどミクと超合金魂ギャリアも一緒に撮影しました。
中央にある四角がストーングリーンで塗装したカラーチップです。
この写真からPhotoShopのピッカーで各部の色の情報を取り出したのが上の図です。
先にお断りしておきますがこの情報もデジカメの特性に左右されてますので絶対値としては正しくありません。あくまでも同じ撮影条件の元での相対値として見てください。
以前、色彩工学の世界的な権威の方にお話を聞いたことがあるのですが 正確な絶対値を得るとなると大掛かりな設備が必要になってきます。波長だとか反射率等の複雑なパラメータを元に色彩はしっかりとした理論で構築されてるんだそうです。色の世界はとにかく奥が深いのです。
さてこの結果を見ると色相(H)に注目すると初音ミクの髪色はストーングリーンの190°に対してやや青味がかってる198°ですが結構近いといえます。ねんどろいどは彩度(S)・明度(B)も合わせてほとんど一致してます。
逆にR3ギャリアはイエロー分が強い179°です。超合金魂はさらにイエロー側に偏っています。
結論としてはストーングリーンは初音ミクの髪の色として使えると言えます。これをベースに彩度と明度を調整してグラデーションかけた塗装をすれば元絵のイメージに近付けることは可能ですね。
ギャリア用としては色味が好みに合わない人も出て来るかなと言う感じですか。
ストーングリーンで塗装する対象としての初音ミクはワンフェス等で売られたイベント限定のガレージキットくらいですかね。
唯一イベント限定品ではないボークスのキットは予約完売でしたがPVC完成品として発売されることが発表されました。これがどう言う色で出るのか気になります。
もっともPVC版として敷居が低くなったのは良いのですがこの流れでレジン版は絶版となりそうです。やはりレジン版のシャープなディティールは魅力ですので再発売を望みたいところです。
他にもマックスファクトリーの1/8PVC完成品とfigmaがひかえていますので、それらもどんな髪の色で塗られるのか気になりますね。
機会があれば発売後にまとめて検証してみましょう。
それはともかく、まさかウィーカーギャリアと初音ミクを一つの記事で記す機会が来るとは予想外でした。(^^;
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