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2010/08/17

「はやぶさ」再突入カプセル特別展示

01entrans

 小惑星探査機「はやぶさ」のカプセルが丸の内オアゾにて展示されているので観に行って来ました。

 「はやぶさ」は2003年5月に打ち上げられ2005年11月に小惑星イトカワに着陸、通信途絶など様々なトラブルに見舞われながらも60億キロの旅を終え、この6月に地球に帰還してイトカワのサンプルを採取したと思われるカプセルをオーストラリアのウーメラ砂漠に投下した宇宙科学史上に大きな功績を残した探査機です。
 「はやぶさ」自身は大気圏再突入の際に燃え尽きてしまいましたがカプセルは無事に回収され、現在はイトカワ由来の物質がないか分析中です。(これまでに数10個の微粒子が確認)

 今回は地球帰還を果たしたカプセルそのものが展示されるとのことで大きな注目を集めていました。
 すでに7月末にJAXA相模原キャンパスでカプセルが公開されましたが、そのときは見学者が殺到して3時間待ちでやっと見られるという状況でした。今回もかなりの混雑が予想されたので公開初日の8/15は出かけるのを見合わせていたのですが、実際は比較的スムーズに見学が行われたとのことでしたので2日目の8/16に観に行くことにしました。

 13:30頃に丸の内オアゾに到着、1階エントランスホール「OO広場」の1画にパーティションで仕切った展示コーナーがあり見学待ちの人の列が長く続いていました。

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 案内係の人に尋ねて整理券配布場所に行き、すぐに整理券がもらえました。

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 そのまま列の最後尾に並びましたが、その際に展示品解説のペーパーをいただきました。
 見学前の予習として必要十分な内容があります。

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 裏面には「はやぶさ」プロジェクトマネージャの川口教授のあいさつが。
 これを読むだけで何か熱いものがこみ上げてきました。

 それなりに空調の効いた屋内であったので暑さも気にならず列も速いペースで進んでくれたので20分くらいで展示コーナに入れました。

 展示コーナ内には1メートル四方くらいの透明のケースが4つ台の上に設置されており、その中にそれぞれ前面ヒートシールド、インスツルメント・モジュール、背面ヒートシールド、エンジニアリング・モデルが入っていました。
(場内は撮影禁止でしたので写真がないことをご了承ください)

 前面ヒートシールドは大気圏突入の際の高温(よく大気との摩擦による熱と言われますが間違いです。突入物体の前面で大気が急激に断熱圧縮されたための空力加熱です)で真っ黒に焼けていましたがヒビも入っておらず非常にきれいな状態でした。まるでよく使い込まれた中華鍋のような感じです。
 ヒートシールドの内側をミラーで見られるようになっていましたが白い断熱材がそのまま残っていました。高熱からしっかり内部を守っていたことがうかがえます。
 このような高温にさらされて耐えた物体というのはなかなかないので今後の研究開発のために調査する意味が大きいのだそうです。そのためか背面ヒートシールドとともに展示はこの日まででしばらくは人前には出てこないみたいですね。

 カプセル本体であるインストルメンツ・モジュールはとても60億キロの旅をしてきたとは思えないほど新品状態でした。開発担当者いわく7年前にタイムスリップしたようだとのことです。
 この内部にイトカワのサンプルを採取したと思われるコンテナが収容されていたわけです。
 
 実際に見学できたのはほんの数分でじっくり見ることは出来なかったのですが、壮大な旅を終えた科学技術の成果を目の当たりにして感慨深かったですね。

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 展示コーナーを出た所でポストカードをもらいました。
 「はやぶさ」が大気圏突入した時の写真ですね。
 聞くところによるとこの時の発光はかなり明るく深夜であるのにもかかわらず見ていた人たちの影が地面にくっきりと映ったそうです。

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 この後、同じ建物内の2階にあるJAXAの広報施設JAXAiに向かいました。
 入り口にはH2ロケットの大きな模型がお出迎えです。

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 入るとまず正面に見えるのが巨大なH2ロケットのエンジンです。
 複雑な構造をしていますが精密加工をした手造りに近い逸品なのでしょう。
 こうした技術を一般の人に知らしめるのがこの施設の役割なんでしょうね。
 近くにいた親子連れが「夏休みの自由研究になるね」と言っていたのが印象的でした。
 でも事業仕分けでJAXAiの廃止は決まってしまいました。この国の未来はどこへ向かっているのか非常に不安です。

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 「はやぶさ」の旅を説明するパネルもありました。
 リアクションホイールの故障に始まり最後のイオンエンジンのニコイチ運用までその大半がトラブルの連続というのがわかります。
 それをJAXAや開発メーカのスタッフは知恵を絞って必死に乗り越えてきたわけです。
 こうした努力の先にある技術の進歩が日本という国の大きなポテンシャルになると思います。
 すぐに国民の生活に役立たなくても長い目で見ていけば宇宙開発は決して無駄な投資ではないはずです。
 「はやぶさ」後継機の開発予算は事業仕分けで一旦かなり削り取られてしまったのですが、今回の地球帰還の反響で見直しされているのは幸いです。しかし、このように一貫しない日和見的な政府の対応はいかがなものでしょうか?JAXAi廃止もそうですが日本の未来を本当に考えているのか疑わしいです。

 JAXAiでは物販もされていますのでお土産をいくつか買ってきました。

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 クリアフォルダ2種。
 右側のは「はやぶさ」が最後に撮影した地球。
 宇宙一のカメラマンの写真ですよ。

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 地球帰還記念メタルチャーム。
 裏面には帰還日の2010/6/13の日付が刻み込まれています。

 この他にも「はやぶさ」関連グッズがたくさんありました。
 でも一番のお目あての「はやぶさ」クリスタルは残念ながら品切れでした。

 一部展示物を変えてカプセルは8/19まで公開するそうです。
 期間内にもう一度くらい見に行こうかと思います。


 ついでに宣伝。

 拙作の「はやぶさ」応援動画『【初音ミク】おかえりなさい【探査機「はやぶさ」】』が1万再生を突破しました。
 見ていただいた方ありがとうございます。
 最後あたりではコメが弾幕っぽくなってたりして感動です。

 いただいたコメントを見るといかに「はやぶさ」が愛されていたのか分かります。
 中でもラスト付近での「おかえりと言うとき、きっとみんなが、優しい顔になってる」というコメが印象的でした。

 「はやぶさ」は僕らに夢と希望をくれたんですね。

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コメント

はやぶさクリスタルは国立科学博物館のミュージアムショップで買えましたよ。

投稿: たとさん | 2010/08/17 16:16

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